おそらく、このページにたどり着いて
私の声に耳を傾けてくれる人は知り合いを除けば
ほとんどいないんじゃないんだろうか。

それでも、この私にしたって
検索やリンクから何処へでも飛ぶ。

途方もないほどの情報や表現があふれている中に
「私」を探し、「私」を届けよう。
あきらめたくっても、
どうしても、
どうしても、
どうしようもなくあふれてしまうもの、
もし、まだ私の中にあるのなら、
やっぱり続いていくんだと思う。
なんにせよ。

それが私を、私の隣の人を喜ばせるものならいいなぁ。

いろいろ変わってゆく。
街の様子も、私の心も、他人の心も。
一番変わったのは、人に言わせれば
どうやら私の行動範囲らしい。

昔から、ひとところにじっとしていられない子だった。
特に車の運転を覚えてからは
ちっとも家に帰らなかった。
私が居たいと思う場所に居なければ気がすまなかった。

ここは少し贅沢な間取りの２ＬＤＫ。
小説を片手に、居心地のいい場所をのろのろと探す。
キッチンの椅子、リビングのベンチやセンターラグ、
部屋を移ってパソコンの前、ピアノの傍。
何処に居ても半ページと進まない。
また部屋を代える。

あーーーーー、
深いフラストレーションとともに
寝室のカーペットに寝転んだ。
妙に居心地がよい。
ベッドに寝る毎日では床の高さの視点がない。
壁の隅っこにほこりを見つけた。
這いつくばってティッシュで取り去る。
すっきりした。
もういちど寝ころぶ。
もはや読みかけの小説はどうでもよい。
どうやらうたた寝をしたようだ。
大きな仕事でもこなしたような充実感の中で。

私が変わっていないことを認めてあげられるのは
私でしかない。
というよりは、少し呆れて、少し感心した。
我ながら。