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2003/02/16 私の理想郷

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 先日、鳥取の夏の風物詩「鳥取しゃんしゃん祭り」の新曲に
私の『しゃん☆しゃん☆しゃんぐりら』が起用される事に決まった。
これからこの曲は鳥取の人に広く知ってもらえて、
やがて一人歩きを始めるものだろうから
あまり余計な解説などしたくないのだけれど
少しだけ、今回の創作のいきさつについてお話してみようかと思う。

 距離的にはさほど遠くないここ宝塚と鳥取、
けれど日常生活においてはどんどん遠い存在になっていく鳥取、
離れてしまえば日々薄れていくのは判っていても
やはりずっと暖めていた何か(友情だったり、自分の愛したテリトリーかな?)を
目の前に確認出来ない現実を知れば寂しいものだ。
離れてから2年にもなるというのに
私は私が思っていたよりもずっと
鳥取というところに執着していたに違いない。
仕方ないよね、だってずっと今まで離れた事なかったんだもん。

 誰か、あの「まっとるけぇ~なぁ~」っていう
べたべたの鳥取弁で私を迎えてくれる人はもういないのかな。
そんな、寂しくて悲しくて、、、何故か落ち込んだ日々だったんだ。

1月末のある日、
ほとんど泣きそうな顔で近くのスーパーに行って本のコーナーに立ち寄ったんだ。
ふだん見向きもしない懸賞本に手が伸びて
ぱらぱらとめくっていた。
そこで目にした文字は「鳥取」。
ナニ?鳥取市主催で何やるん?と思って見ていたら
毎年お盆の頃、鳥取市の目抜き通りで行われる
「しゃんしゃん祭り(傘に鈴をつけて踊るその響きから)」で踊るための
新曲を公募しているではないか。
締め切りはと、へぇ、2月10日
こりゃ間に合わんな。
懸賞金は、ほー、30マンとな。
ふぅん、私には関係のない事だなと思って本を戻してその場を去ったんだ。

 ところがその夜、
私オトクイの考え過ぎの虫が騒ぎ出して眠れやしない。
ふと、頭をメロディーが流れ始めた。
私の中で鳥取弁が勝手に踊り始めた。
私は私と「鳥取のこと」をお喋りしたくなった。
真夜中にピアノの前に座ってみる。
とりあえず一曲書かせてみよう。
そして明け方にはデッサンが仕上がっていた。
だんだん頭に描くものが具体的になってきた。
スピーカーから私の曲が大音量で流れてる。
みんなが私の曲で踊っている。
それこそ私の「理想郷(シャングリラ)」に他ならなかった。

 正味2日でレコーディングまでをものすごい勢いで終えたこの曲。
私の想いが伝わることを願いつつ応募に踏み切った。
そして採用の電話をもらうことになる。

 私があの時落ち込んでいなければ、
あの日スーパーで立ち読みをしなければ、
しかも懸賞本を手にしなければ、
そしてそのページをめくっていなければ、
その夜起き続けていなければ、、、
なにより
私が生まれも育ちも鳥取でなかったならば、
生まれていなかった今回の曲。
審査員の皆様、選んでくれてありがとう。
私が鳥取をどんなに好きだったか分かってもらえたのかな。

「故郷は遠きにありて想ふもの」
私の27年間の鳥取への愛を詰め込みました。
私を育ててくれた故郷へのせめてもの恩返し。
夏が来るたび
みんなに愛される曲になってくれればいいな。

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